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●古典調律・・・私の最初の1歩 つづき

 

 「ポロネーズ主旋律のための和音の響きは完全無視音階(音律)」(長ったらしいので以下「ポロネーズの音階」と略します)がそれなりに形になってきたところで、他の曲にとりかかることにしました。同組曲の"メヌエット""サラバンド"です。この組曲はいろいろな舞曲からなる舞曲集の類のものですから、いずれもポロネーズとは全く雰囲気が異なります。ポロネーズと同じ手法をそれらのメロディーに適用したならば、当然できあがる音律も全く違ってくるはずだ、と私は考えていました。

 それにしてもまず手始めに、「とりあえずポロネーズの音階で演奏してみて、どれぐらい変に聞こえるか試してみよう。おかしければそこからなおせばいいや」ということで、とりあえずポロネーズの音階を同組曲の他の曲で試してみました。
・・・ここで私は意外な発見をすることになります。

 

 

ポロネーズの音階が、他の舞曲においてもとても相性がよく、直すべき所がほとんど無い!
しかもそれぞれの曲はポロネーズと雰囲気が似るどころか、
より個性的でいきいきとしていて、生まれかわったかのようではないか!

 

 これはいったいどういうことなんだろう・・・?。さらに私は、管弦楽組曲第2だけでなく第3にもポロネーズの音階を適用してみました。G線上のアリアとしても知られるアリアを含む組曲です。さすがに長調の曲集にとっては、短調の曲を前提に作ったこの音階は組曲全体を少々悲しげに演出してしまい、アンバランスに感じられました。が、それでも平均律よりはずっと良い、と思いました。このことは、非常に強いクセをもつ音律であっても、いろいろなタイプの音楽を演奏できる可能性があるという事を私に認識させる事になりました。


 平均律が普及する前の時代、現代の平均律とはかけ離れた音律で
さまざまな音楽を楽しんでいた時代があったのかもしれない・・・

そう、それは確かに有ったんだ・・・!!!

 

  そこで気を良くした私は、単旋律だけでなく、和音を含む伴奏にも同じ音階を使ってチャレンジしてみました。その結果は・・・こんどは予想どうりでした。残念ながら。和音を無視して作り上げた音階なのですから当然と言えば当然なのですが、それはなかなかひどい響きになってしまったのです。

 ここまできて私は、再度シンセサイザーが持っていた古典調律にチャレンジすることになります。・・・というのも、シンセサイザーには前述の5種類×12種類(基準音をずらしたもの)・・・これを全て異なるものと数えると60種類もの音律・・・があるにもかかわらず、その一部を試してみただけで「こんなもの役に立たない」とそれまで考えていたのです。でも、もしきちんと調べたならば、私の頼りない主観によるポロネーズの音階に代わって、より最適な古典調律が実は有るのではないか?と考えたのが、この世界へ足を踏み入れるきっかけとなったのでした。

キーワード:

音楽 , クラシック , ピアノ , 調律 , 音律, バッハ ,