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「調律法ききくらべのページ」について。

このたびは「調律法ききくらべのページ」にきていただき、大変ありがとうございます。ここではこのページの事について、少し紹介いたします。


「調律法ききくらべのページ」の意図するところ

 クラシック音楽の演奏について、しばしばその音程と調律法の問題について議論されます。 しかし私には、その多くが理論的で頭でっかちな議論に終始してしまい、

「それが、人のこころに、どうきこえるか」

 という視点が欠けてしまっていることが多いように思われます。
 いうまでもなく、人の心は理論で説明できるようなものではありません。
 その心に訴えかける為の音楽にとって、理論は必ずしも万能では無いでしょう。

 このページでは、まず第1に、さまざまな調律法をきいてみていただき、
そしてそれらを自分自身がどう感じたか、という事に注目していただきたいと思います。


このページの長期的テーマ

私はこのHPが、よりクリエイティブな形で音楽に取り組み、自分らしい表現にこだわる人にとって、何らかの助けになることを願っています。
それが、自分に何らかの刺激を与えるかどうか、自分にとって楽しいかどうか、それだけが問題なのです。


調律の未知の可能性

 「調律のようなちょっとした差は私には良くわからない」という方もいらっしゃるでしょう。でもこれは、たとえば毎日の会話の中のイントネーションなどを例に考えると、実は驚くほどちょっとした差を聞き分ける能力を、あたりまえのように日常生活の中で使っているのではないでしょうか。とても音符では表せないようなちょっとしたイントネーションの差で、「ん?なんかあやしいぞ」とか・・・・。大阪の人であれば、他の地域の人にはわからないようなちょっとしたイントネーションの差で、その人が大阪育ちの人なのか、大人になって大阪弁を覚えたのかを聞き分けるでしょう。

 最近のヒット曲を見ると、一昔まえよりも作曲家が自分自身で歌う曲の割合が増えているように思います。そしてここで重要な事は、これらのミュージシャンは、けして既成の調律法にあてはまるような音程では歌っていません。そしてもう一つ重要な事は、音律は個性の一部となり、ミュージシャンことに一定のクセを持つという傾向がみられるということです。つまり、これらのミュージシャンの歌う音程について注意深く学ぶならば、既成の調律法の枠をはずれていても、一つの個性的な音律として、シンセサイザー等での音楽へ応用できる可能性が、ここにはありそうなのです。


平均律は、けして無個性な調律法ではない

 いろいろな調律法を聞き比べると、それぞれが独特の雰囲気を持っている事に気が付かれるかもしれません。そして、平均律もまた、特徴的な雰囲気を持った調律法であることに気がつくかもしれません。
 現在、一般的にありふれているという意味では無個性かもしれませんが、色々な調律法と聴き比べてみるとき、平均律は全ての調を無難に弾きこなせるからといって、けして無個性な調律法では無いのです。平均律しか知らなければ、せっかくのその個性にも気がつかないで終わってしまうかもしれません。


年齢による感じ方の違いの問題

 最近、まったく同じMIDIデータに対し、調律法をかえたものをテープに録音し、何人かの知り合いに、聴いてみてもらう機会がありました。 ほとんどの人は、「よくわからないよ」という返答でしたが、傾向として、年齢の高い人ほど理論的に理解しようとする傾向があり、若いひと(高校生)では、感情表現の違いとしてそれらを聞き分けました。

 私自身の経験からしても、17〜19歳ぐらいのころは、ピタゴラス音律と平均律をまったく違う雰囲気の調律として聞き分ける事ができましたが、最近ではうっかりすると聞きまちがえてしまう事があります。はっきり言ってちょっとあせってしまいます。

 けして多くの人の例を知っているわけではないので断定的な事は言えませんが、きっと音程に対する感性は、年齢を重ねるにつれて鈍ってしまうものなのでしょう。音楽の流行の世代間のギャップというのも、こういうところに起因しているのかもしれませんね。


参考文献(作製中:重要な物のみ掲載)

 現在手元に無い資料もあるので、完全ではありませんが、わかっている物から掲載していきたいと思います。
ホームページ上の各記述との関連についてはまた別途掲載を検討していきます。

 このなかで「旋律法入門」という本は、調律について特に興味を持つきっかけとなった本ということで、私としては重要な位置を占めるものです。

調律関係の書籍として、「ゼロ・ビートの再発見」(平島達司著)がよく知られていますが、私はまだ読んでいません。

調律関係

書籍名 著作者 出版社 区分コード
チェンバロの調律
 −バッハの響きを再現する
ヘルベルト・アントン・ケルナー著
郡司すみ訳
(株)東京音楽社 ISBN4-88564-170-5 C3073
旋律法入門 熊田 為宏 春秋社 ISBN-10: 4393937074
ISBN-13: 978-4393937075


その他、関連する書籍一般

書籍名 著作者 出版社 区分コード
グラウト/パリスカ 
新西洋音楽史 (上)
ドナルド・ジェイ・グラウト
クロード・V・パリスカ
(株)音楽之友社 ISBN4-276-11212-5 C1073
グラウト/パリスカ 
新西洋音楽史 (中)
同上 同上 ISBN4-276-11213-3 C1073
スフィンクスの嘆き
(バッハの生涯と作品)
三宅 幸夫 五柳書院 ISBN4-906010-52-0 C0395
管弦楽技法 ゴードン・ヤコブ著
宗像 敬 訳
(株)音楽之友社 ISBN4-276-10691-5 C1073
通奏低音の奏法 
第1巻 器楽篇
ヴァルター・コルネーダー著
角倉 一朗 訳
(株)音楽之友社 ISBN4-276-10350-9 C1073
コード進行による作曲入門 金子卓郎 (株)ドレミ楽譜出版社 ISBN4-8108-0226-4 C0073
聴覚(生理と心理)講義ノート 三浦 種敏  音響技術専門学校    
楽器の音色を探る 安藤 由典 (株)中央公論社 ISBN4-12-10526-0 C1242
音律について(上巻) H・ケレタート著
竹内ふみ子訳
(株)シンフォニア ISBN-10: 488395045X
ISBN-13: 978-4883950454
音律について(下巻) H・ケレタート著
竹内ふみ子訳
(株)シンフォニア ISBN4-88395-371-8 C3073
響きの考古学 藤枝守 (株)音楽之友社 ISBN4-276-33084-X C1073



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キーワード:

音楽 , クラシック , ピアノ , 調律 , 平均律 , 純正調 , バッハ